モノクロリバーサル現像をもう一度

2年ほど前にWikipediaの白黒リバーサルフィルムのイルフォード推奨プロセスを参考にフィルム用現像液向けにアレンジしてやっていました。
その後プリントもやるようになり、印画紙現像液も入手していたのでオリジナルに近いかたちでやってみました。
結果、それなりになったので備忘を兼ねて書いておきます。

現像薬品

モノクロリバーサル現像には以下の薬品を使用しました。

薬液/薬剤希釈
(薬液/薬品+水)
備考
第一現像液中外写真薬品 マイペーパーデベロッパ(絶版品) or ILFORD SILVERCHROME BW PAPER (現行品)1+4印画紙用現像液を2倍の濃度で作成
漂白液(A)過マンガン酸カリウム2%溶液
(B)硫酸10%溶液
(A)1+4
(B)1+4
(A)と(B)を混ぜる
洗浄液ピロ亜硫酸ナトリウム25g + 975ml
第二現像液第一現像液に同量の水を追加して薄める1+9印画紙用現像液を通常の濃度で作成
停止液クエン酸3%溶液
定着液中外写真薬品 マイフィクサー(絶版品) or SILVERCHROME BW RAPID FIXER(現行品)1+4
モノクロリバーサル現像に必要な薬剤

現像工程

Wikipediaの白黒リバーサルフィルムのイルフォード推奨プロセスを参考に以下の工程でやってみました。

  • 第一現像(12分)
    20℃の第一現像液をタンクに注ぐ
    注いだあと1分間撹拌、以降は1分ごとに5秒間撹拌
  • 水洗(5分)
    タンクに流水を注ぐ
  • 漂白(5分)
    20℃の漂白液をタンクに注ぐ
    注いだあと30秒間撹拌、以降は30秒ごとに5秒間撹拌
  • 水洗(1分)
    タンクに流水を注ぐ
  • 洗浄(2分)
    20℃の洗浄液をタンクに注ぐ
    注いだあと30秒間撹拌、以降は30秒ごとに5秒間撹拌
  • 水洗(1分)
    タンクに流水を注ぐ
  • 再露光
    タンクからリールを取り出し光に晒す
  • 第二現像(6分)
    20℃の第二現像液をタンクに注ぐ
    注いだあと1分間撹拌、以降は1分ごとに5秒撹拌
  • 停止(30秒)
    20℃の停止液をタンクに注ぐ
    注いだあと10秒間撹拌
  • 定着(7分)
    20℃の定着液をタンクに注ぐ
    注いだあと30秒間撹拌、以降は30秒ごとに5秒撹拌
  • 水洗(7分)
    タンクに流水を注ぐ
  • 水滴防止(30秒)
    水滴防止剤(フジフイルムDWなど)に浸す
  • 乾燥
    クリップ等で吊るして乾かす

作例

FOMAPAN400 ACTIONの作例です。

フィルム用現像液で試行錯誤したときのような第一現像の不足で、コントラストが低い画になってしまうこともなくいい感じになったように思います。
ただ、水滴っぽい斑点やシミが出てしまっているので追い込みは必要そうです。

カラーネガフィルム自家現像に挑戦中

久しぶりにカラーネガフィルムの現像に再挑戦しています。
パラメータを変更しつつ試行錯誤していい感じになったレシピをメモします。

備忘録的な位置づけなので細かい説明は端折っていますのでご了承ください。

※2020/09/21追記: KODAK GOLD 200で試したところ発色不足、カラーバランス崩れが確認できました。コダックのフィルムではおすすめできません。

カラーネガフィルム現像について

カラーネガフィルムの現像には発色現像漂白定着の3つの工程があります。

発色現像ではハロゲン化銀から銀像を生成しつつ色素の発色を行います。
漂白では銀をハロゲン化銀に戻します。
定着ではハロゲン化銀を溶かしフィルムから取り除きます。

結果、銀像はなくなり色素で色が反転した像がフィルムに生成されます。

必要な薬剤

最低でも発色現像を行うための発色現像液、漂白と定着を1液で行う漂白定着液を用意する必要があります。

以前はナニワカラーキットNというカラーネガフィルム自家現像用のキットが販売されていたようですが、すでに入手不能となっています。

現在では自動現像機(ミニラボ機)用の補充発色現像液を水で希釈、印画紙用の漂白定着液を利用する方法が紹介されています。
僕は発色現像液にオリエンタルカラー CNL-1R、漂白定着液にはKodak RA-4BFを使用しています。

薬液製品名希釈備考
発色
現像液
オリエンタルカラー
CNL-1R
水8:A液1:B液1現像ごとに使い捨て(ワンショット)
リニューアルで3液式になった模様。
漂白
定着液
Kodak
RA-4BF
水33:A液7:B液10使いまわし可

発色現像液、漂白定着液共に量が多いのでちょっとお試ししたい…というのには大げさになっちゃうのが難点ですね。

現像工程

工程時間温度備考
前浴2分40℃タンクを温める。適度に撹拌など行い気泡を追い出す。
発色
現像
6分30℃発色現像液をタンクに注いだあと、60秒撹拌。
その後は60秒ごとに10秒撹拌。
時間経過後、発色現像液を排出。
水洗2分40℃残った発色現像液を洗い流す。
適度に撹拌したほうがいいかも。
漂白
定着
7分30℃漂白定着液をタンクに注いだあと、30秒撹拌。
その後は30秒ごとに5秒撹拌。
時間経過後、漂白定着液を排出。
水洗3分残った漂白定着液を洗い流す。
水滴
防止
30秒ドライウェルに浸す
乾燥リールからフィルムを取り外し、クリップで吊って乾燥させる

※2020/08/20現在

作例

FUJICOLOR100 現像ムラが出てる気がする
FUJICOLR100
FUJICOLOR100
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